ハロウィンは終わってしまったけど。。。ちょっと怖くてお洒落な大人向け絵本紹介!!!
今回は、大人向けの怖いけどお洒落な絵本を紹介したいと思います。本当はハロウィンの前に書きたかったのですが、忙しくて書けなかったので、今書きます。はい。
そういや、今って結構大人向けの絵本って売られている気がします。
(あ、大人向けって、あっちの意味じゃないですよ。。。)
ヴィレッジバンガードとかにいけば、面白い絵本がたくさん集められています。
怖い絵本に限定しなくても、どの年代でも楽しめる絵本も多いですね。かわいかったり、仕掛けがあったり。
あの手この手で読者を楽しませようと企む絵本作家さんたち。
にくいですねええええええええ。
では、本題に入りましょう。
まずはやっぱり、最近少しずつ知られていっているこの作家の絵本です。
●ギャシュリークラムのちびっこたちーまたは遠出のあとで/エドワード・ゴーリー
- 作者: エドワードゴーリー,Edward Gorey,柴田元幸
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2000/10/01
- メディア: 単行本
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最近エドワード・ゴーリー人気ですよねーーー。
オリエンタルラジオのあっちゃんも、ご自分のユーチューブチャンネルで紹介していました。
私はゴーリー絵本が大好きで、この前この絵のトートバッグをヴィレヴァンで4000円くらいで購入しました。絵本ももちろん、この作品含め何冊か持っています(本当は全部集めたいのですが)。
東京では、「エドワード・ゴーリーの優雅な秘密」という展示が、2019年9月29日(日)~11月24日(日)まで、練馬区立美術館にて開催されています。
都民よ、う、羨ましい限りだぜ。。。。泣
このギャシュリークラム、有名なので知っている人も多いかもしれませんが、内容がとにかくえげつない。
一言で言えば、表紙に載っている子供たちのアルファベット順の死に方が描かれているという話です(裏表紙は子供たちの墓)。
話というか、見開きの右ページに死ぬ時の様子が描かれ、左に死ぬ様子の詩が、子供の名前と韻を踏んで書かれています。それがアルファベット分の25個ずつ最後まで続いていきます。
死に方にといっても、階段から落ちたり、画鋲を飲んだり、桃に詰まって、、、という子供のしつけとして伝えたいような事故系、まさかりグサリ、ヒルに吸血されて、、、というグロ系もあります。のぞみうせて、、、という心理系もあり、面白おかしくこの本を紹介していいのかわからなくなりました。
こうして紹介すると、改めてとてつもなく恐ろしい絵本だと思わされました。挿絵がまた不気味な雰囲気を出していて素敵。でも、この恐ろしさの中に、独特なお洒落なセンスが感じられるのが不思議です。
この本を読むと、子供の命が、いかに大人が守らなければいけないほど弱々しいものなのか、考えさせられます。しかし、子供の教育として読ませるには刺激が強すぎます。私も、初めて読んだ時に一週間くらい落ち込みました。
でも、こんな絵本を作ろうと思ったこと自体すごい。絵本は可愛くて平和なものばかりではないのです。現実だってそうです。絵本の知らない可能性に気づかされる傑作だと思います。
ちなみにですが、ゴーリーさんはハーバード大学出身の超頭良い人で、テレビ好きだったそう。75年の生涯、猫だけは作中で殺さなかったらしいです(2000年没)。
- 作者: ティム・バートン,狩野綾子,津田留美子
- 出版社/メーカー: アップリンク
- 発売日: 1998/12/01
- メディア: 単行本
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映画界の鬼才ティム・バートンは、絵本も描いていました。
このオイスター・ボーイは、「ステイン・ボーイ」というシリーズの短編フラッシュアニメにもなっています。オイスターボーイと内容が全部同じではなく、ところどころ繋がりがある感じです。若干怖いですが面白いっちゃあ面白いです。昔ニコ動でめちゃくちゃ観てました。
絵本は短編集になっていて、フリークスの子供が多くでてきます。目がたくさんある女の子とか、毒物を飲まないと生きていけない男の子とか、かなり変わったお友達がたくさん。
一冊3000円くらいしますが、ハードカバーでしっかりとしています。あのティム・バートンですから、イラストも話も彼らしさ満載。絵本でしか味わえない、独特で毒のあるティム・バートンの世界観を堪能できます。
シュールでちょっとグロくて、独特で、奇妙で、怖くて、いびつで、悲しくて、切なくて、残酷で、不条理で、不気味で、コミカルで(多すぎ)。バートンの世界観や作品が好きな人は必見です。まさに、大人向け。
●スパイダー屋敷の晩餐会/トニー・ディテルリッジ
- 作者: トニーディテルリッジ,Tony DiTerlizzi,別所哲也
- 出版社/メーカー: 文溪堂
- 発売日: 2008/03
- メディア: ハードカバー
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俳優の別所哲也さんが翻訳したこの絵本。
私はアマゾンで偶然中古で安く売っていたので買えましたが、今買えるかどうか。。。図書館などに置いてあればぜひ読んでほしい絵本です。
内容は、スパイダー(蜘蛛)の主人が、甘い誘惑で蝶々を屋敷に誘って、、、というわりとシンプルなあらすじ。でもその中に、とても大切な教訓が含まれています。
「『わが家の居間にお立ちよりになりませんかな?』スパイダーさんがフライにそう言いました」
で始まる、メアリー・ハウイットという人が書いた、19世紀によく読まれたイギリスの有名な詩があるそうで、それがこの絵本の原案だそう。子供たちに、甘い言葉で甘くはないたくらみに誘う者への注意を呼びかけるために書いた詩のようです。
また、絵を観たらわかりますが、まるで昔の白黒映画を観ているかのように、巧みなフレームワークで描かれているのがすごい。1920〜1930年代のハリウッドのホラー映画からインスピレーションを受けているそうです。
甘い誘惑には騙されるなという、子供への喚起として描かれた部分もある作品ながら、その怪しくゾクッとする独特な雰囲気は、むしろ大人向け。でも、どこかお洒落な雰囲気が漂っていて、一度読んだらはまります。ちょっとティム・バートンっぽいかもしれません。
●もじゃもじゃペーター/トニー・ディテルリッジ
で、出たあ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!
出てしまいましたよ、この絵本。
知らない方も多いでしょうが、かなりの問題作なんですよ、これ。
私はこの本が読みたくて読みたくて、でもなかなか書店になかったので、諦めていたら、ふらっと入った大学の図書館の子供向けの絵本コーナーで偶然見つけて。
「こ、これだああああああああああああああ!!!!」
と思い、その場で貪り読みました。
図書館で見つけた時は、「ぼうぼうあたま」というタイトルが書かれていましたが、内容は多分ほぼ同じ。精神科医の先生が子供に読ませたい本がなかなかなく、それならいっそ自分で描いてしまおうと思って描いた絵本らしいです。
内容は、子供へのしつけとして、
「こうしたら、こうなるから、気をつけた方が良いよ〜〜〜」
という話がいくつか入っていて、子供への教訓がそこには込められています。
しかし、その刺激の強いことといったら!
何年も前に読んだのであまり覚えていませんが、怖かったことは覚えています。
他のサイトから、内容を引き出すと、
・どの作品でも、不品行とその結果による悲劇の顛末が誇張された表現で描かれ、明確な教訓が示される
子供の教育に描かれた絵本や童話には、怖いものも確かに存在しますが、この絵本は小さい子にはトラウマになる子も多いようです。しかし、原作の国のドイツを始め、ヨーロッパを中心に世界中で読まれているとか。
子供に見せるのはちょっと躊躇するかもしれませんが、大人だったらさすがに読むことはできると思います。
しかも、ただ怖がらせるだけでなく、教訓を込めた話なので、お子さんを持つ親御さんなど、一度読んでみても良いかもしれません。まあ、覚悟がある人限定ですが。
残酷だけど、その怖さにはまる人もきっといるでしょう。さんざん怖いとか言っときながら、耐性があるのか、私にはその怖さがけっこう面白かったです。笑
では、次にその怖さが何倍も上の、最恐の絵本をご紹介しましょう。
この記事のタイトルに「お洒落な」と書きましたが、この絵本は別にお洒落ではなかったことに気がつきました。でも、怖い絵本と言ったら、この作品は紹介しないとと思って。
怪談絵本シリーズというものがあって、他には綾辻行人や恩田陸、宮部みゆきなどの有名作家が文章で参加しています。
私は京極夏彦が文章を書いたこの絵本を読み、あまりにも怖かったので、他の怪談絵本をビビって読んでいません。大人が読んでもトラウマ級の絵本でした。
いつか、読める日が来たら、他のも読んでみます、はい。。。。
「いるの いないの」では、男の子がおばあちゃんの古い家でしばらく暮らすことになるのですが、男の子は誰かがいるような気がしてしかたないと感じている、という内容。
設定はたったこれだけですが、絵のタッチがリアルなんですがどこか不気味で、正直気持ち悪い。古い家の独特の空気や、何かが出てきそうな雰囲気が、とにかく怖いんです。。。
そして、ラスト。これだけはネタバレできませんね〜〜〜
おしっこちびらせる前に、ぜひトイレに行ってから読んでくださいね。
●うろこひめ/嶽本野ばら
なんと、自称乙女のカリスマの嶽本野ばら氏が、あのイラストレーター高橋真琴のイラスト付きの絵本を書いていたのですよね〜〜〜。
こんなに可愛い表紙なのに、今回何故この絵本を何故紹介したのかと、ちょっと疑問に思った人もいるでしょう。
それは、内容がただののプリンセス物語とは一味も二味も違う、ちょっぴりグロくて残酷ですばらっしい内容だからです。私的に、これは子供よりも大人にもぜひ読んで欲しいと思ったのです。
あらすじは、ある王国に双子の女の子が生まれたのですが、姉はとても美しく、妹はとても醜い子供として産まれてしまいました。
王様と王妃は、この醜い子を産まれなかった子として隠すことにして、美しい子の方だけを世間に発表し、大事に育てることにするのですが。。。
あまり詳しく書くと、ネタバレになるので書きませんが、まさに嶽本野ばららしい内容。
「美しさ」には代償がいる、という彼らしい考えが、残酷に、しかしどこか説得力の感じさせられる内容で書かれています。
高橋真琴の美麗でゴージャスな絵も必見で、ストーリーをより盛り上げています。
画集として観られるほど美しいです。本当に眼福。
自分的に大好きな絵本。普通のプリンセス物語に飽きた人にも、ぜひ一度は読んでほしい絵本です。
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さてさて。
いかがだったでしょうか。
自分は、小さい頃から寝る前に絵本の読み聞かせをされて育ったので、大人になった今でも絵本は身近な存在です。
でも、絵本を小さい頃にあまり読まなかった人や、読んでもらわなかった人でも、良い絵本は大人が読んでも楽しいものです。
今回は大人向けの絵本を取り上げましたが、ここで取り上げた以外にも、大人向けの絵本はたくさんあります。
大人向けといっても、そう感じるのは人によって様々。ご自分が読みたいものを、何歳向けとか関係なく、どんどん読んでみれば、きっと好きな絵本や世界観に巡り会えると思います。
私も、大人向けに絞らず、もっと色々な良い絵本に触れたいと思います。
今回はこれにて。ここまで読んでくれて本当にありがとうございました。
では、ごめんあせばせ。